寝ている神経細胞を起こし、脳の司令塔「前頭葉」の血流アップ!
―なぜ認知症の患者さんに、レモングラスの香りを選んだのですか。
塩田 認知症の人の多くは、脳の司令塔である「前頭葉」の神経細胞があまり働いていない状態です。そのため会話をしなくなったり、動きが鈍くなったりして、日中もぼんやりと過ごしがちです。嗅覚の衰えも見られます。レモングラスは名前の通り、レモンに似た柑橘系の香りがします。レモングラスの香りをかぐと、交感神経の働きが活発になり、前頭葉の内側の血流が増えることが分かっています。前頭葉には、においを判断する役割もあるんですね。嗅神経というのは、脳内で数少ない“再生される神経細胞”。つまり、外から香りの刺激を与えて嗅神経を刺激すれば、前頭葉やその周囲の神経細胞も活性化する可能性がある、というわけです。
―実際に患者さんには、どのような変化があったのでしょうか。
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